ショパンコンクール in Asia

あっという間に11月になり、今年も残すところ
あと2ヶ月になりました。🏃‍♂️

ピアノを学んでいる生徒たちは
いま
ショパンコンクール in Asia というものに
参加をし、ポーランド人の作曲者の作品
や、ショパンの作品を
学び、たくさん練習し、コンクールという
舞台で発表しています。

同じ作曲家の作品を色んな年代の学習者が
各々の視点で 表現していて
その過程を聴けて非常に面白いのです。

結果に、
点数にばらつきがあることに、関して
よく質問をうけますが、

そもそも、
“ 古典 “ と 呼ばれるものは
時代によって様々な読まれ方をしてきていて。

その楽譜の読まれ方には、
文学同様、時代ごとの社会状況や
聴衆心理が反映されているとおもいます。

そんななか、
一つ正しい、というか、
真実なのは、

奏者には誤読する権利がある。

ということな気がしました。

音の間違いを許す、ということではけっしてありません。
表面的な誤読はもちろん正さないといけませんが、いま言いたいのは

内面の表現に関して、です。

そもそも、多様な読み方ができる、というのは
メッセージが単純なものとくらべて、
相対的に、長く残りやすい。

だから

“古典” になるんだとおもいます。

なので、
いま出た結果の点数だけに固執するのではなくて、
このような姿勢で、
長い目で、
クラシック音楽を楽しんでくれたら、
もっと豊かな音 表現が
表に出てくるのではないかな、
と 期待してしまいます✨


Дорогие друзья!!

秋になりました🍂

芸術の秋
読書の秋
食欲の秋
スポーツの秋

といいますが、
スポーツの秋は東京オリンピックが
あったことで、そのイメージがついたようで。

いま 開催中の
ラグビーの試合は見事ですね。
13日に行われたスコットランド戦は
台風被害者のために 何がなんでも勝利して励ます、という熱い想いも伝わる、
ラグビー史上歴史的な試合でした。

流石に、誰もが、感動でした。

スポーツは
視覚的にも わかりやすく、
肉体の躍動感があって、勝敗が明確で、とってもスッキリとした世界観です。

一方、
音楽は

「我々の精神性を最も鮮やか、かつ
実質的に証明するもの」

L.トルストイ

「物理学は自然の未知を、
音楽は人の魂を明らかにする。」

アインシュタイン

ふたりの偉人が言っているように
音楽は 表面上ではなく
心の内面が 音によって表されるものです。

なので、はっきりとわかりやすい世界観とは
言えませんが💦

自分で弾いたり コンサートを聴いたり

” 聴く “ことを味わう楽しみ もこの秋

おすすめです。

ベートーヴェン ソナタ Op.57 直筆譜


JFE西日本フェスタ inふくやま

Дорогие Друзья!!

年号も変わり、10連休も終わって、5月中旬になりましたが

みなさんいかがおすごしでしょうか?

わたしは先週日曜日、

福山市で開催されたJFE西日本フェスタに

行ってきました)) 

瀬戸内芸術祭で犬島精錬所”美術館” を見た時から

なんとなく気になっていたので、実際に工場見学ができたことはとても嬉しくて!

瀬戸芸のコンセプト、
日本の豊かさを支えた工業発展の背景に負の遺産として放置されていたものを、自然の美しさと現代アートの力で再び活性化する、という試みにとても感銘を受けたと同時に、今動いている工場はどうなっているんだろう?

という疑問があって、実際に訪れてみると、
今までの歴史から学んだ知恵の集大成でした!

”安全第一”の標語の意味は重く、工場内にはたくさんの緑、そして福山のバラが植えられていて、産業の発展を支えている機械を設計したり、扱うのは
”人間” なので数字や生産性のみを追いかけるのではなく
人間の情緒の部分にも配慮がある、という実態に なるほどそうだよね、と
納得いきました。

年号も新たに、新しい時代の幕開けですが
どんな時代も生きているのは人間で。

文化 芸能、アート、の役割を再実感できました。

日々子どもたちと一緒に音楽を通して 

引き続き精進していきたいと思います。

令和もどうぞよろしくお願い致します!




注文によっていろんなサイズに切断された鉄

刷新する

Дорогие друзья!!

3月も終わりに近づいていますが

みなさんいかがお過ごしでしょうか?

社会人の方は新年度がはじまるにあたって

人事異動や組織改正が発表されたり 色々と刷新される

時期のようです。


新しいメンバーや 自分の役割、 立ち位置が変わると

視点も変わっていきます。 いる場所は同じでも

内面は人それぞれ様々 いろんな景色を映します。

演奏をするときも

同じ曲でも誰とアンサンブルするかでまったく仕上がり方が

変わるのでほんとにおもしろいなぁと思うのと同時に

自分のイメージに近い感覚を持った人に出会うと

なんともいえない感動を味わいます。

本を読むとき 音楽を聴くとき は自分の趣味嗜好に合わせて

自分の内面と対峙できますが 実際の生活やお仕事は特に

相手を選べないので 疲れてしまうことも多いと思います。

そんな中でもちょっとでも双方 気持ちの良い時間を

過ごすには努力がいるのでしょうね。

演奏に関しても 同じような気がします。

みなさん

よい4月が迎えられますように。
  






 

2019年3月 瀬戸内海と空

ロシアンメソッド

Дорогие друзья!!

3月になりました。

昨日はひな祭りでしたね。桜色のものをたくさん見ていると

春が来ているんだなー となんだかわくわくします。

入試まっただ中の人もいたり

卒業のカウントダウンがはじまったり

新たな環境へ向かう季節になりますね。

ピアノ関係では 

夏のコンクールの課題曲が発表され

今年もまた泣いたり笑ったり生徒との楽しい時間が待っています。

課題曲 様々な国の作曲家のものを選んで弾いていきますが

楽譜の読み込みから始まり タッチや音色

強弱 そして何より大事なイメージ 曲の背景にある作曲家の

生き生きとした情感。

この表に出ていないものを伝えていくことが

どれだけ大事なことか。


今年も真剣に曲と対峙していくことになるでしょう。

方法やり方はたくさんありますが

根本の大事なところはいつも同じなのかな、と

思います。




アルバート通りにあるスクリャービンのピアノ 














アート バーゼル香港


Дорогие друзья!!


いかがお過ごしでしょうか? 

日差しが春らしくなっている今日この頃です。


さて、アジア最大級のアートフェア、

2019年3月29日から香港であるようですが、

音楽に限らず アートもそうですが

作曲家なりクリエイターの役割ってなにかな、と。 

たぶん既成概念を超えた先にあるもの、

決して特別な才ではなくて

すべての人が人生において味わう様々な経験や

感情の機微の先にある 「 何か 」。

これを他者と共有できる形に

具現化 すること。

そういう才をもった 人たちを クリエイターというのだと思います。

私がモスクワ音楽院で7年間習ったS.イゴリンスキー先生は

まさにクリエイター、真のアーティストでした。

本当の意味での ”良質” な演奏家 や アートに出会えたとき

何とも言えない幸せを感じます。




2013年イゴリンスキー先生 高松でのコンサートにむかう道中))
モスクワ音楽院入学してはじめて先生のおうちに。門下生徒みんなでお邪魔した時の写真。

トルストイと音楽

Дорогие друзья!!

おはようございます。今日は立春ですね。

まだまだ寒いですが日差しがだんだん春らしくなっている気がします。

ロシアの文豪 L.N.トルストイ 生誕190年を記念しての企画が

去年からあり少し出遅れましたが

民音音楽博物館で開催されていた

『トルストイと音楽』展 見に行くことができました。

エジソンから贈られた蓄音機で録音した トルストイの肉声で

トルストイにとっての芸術論 音楽の神髄に触れて

この理念がグネーシン中等音楽学校の先生方にながれている空気感なんだな、と

いまはっきり理解できました。

トルストイの芸術論 ぜひ読んでみてください。

トルストイ肉声の一説



自分を褒めるな、責めるな、非難するな。

罪の始まりはすべては、思想の中にある。

知恵とは、自身と向き合って、内面を磨くことによって、かつ、

人々と接しながら、自分自身を磨くことによって、得ることができる。


モスクワの風景

モスクワ音楽院 47番教室

Дорогие друзья!!

こんにちは。 

本格的な寒さですがみなさんいかがおすごしでしょうか?

私事で恐縮ですが明後日コンサートを控えていて。

スクリャービンやチャイコフスキー 

ロシア人の作曲家の曲を弾いていると

ほんとにイゴリンスキー教授やモスクワのことを思い出してしまって

とってもさみしくなります。

ロシア人の生徒たちは卒業後も先生と会ってアドバイスをもらったり

話したりできる距離にいるのがうらやましい限りです。


作品を弾く際に

これでいい、ここまででいい、

というものではないので終わりはなく。



「音楽はとても美しい。 けど 演奏するのは簡単ではないよ。」

と 

イゴリンスキー先生に言われたのを思い出しました。


モスクワ音楽院47番教室。 わたしが学生の時、専門の教室でした。

映画 ボヘミアン ラプソディー

Дорогие друзья!!

こんにちは。 
 
みなさん いかがお過ごしでしょうか。

話題の映画 「ボヘミアン ラプソディー」
少し遅いですが(笑)見に行きました。

高校生の時、 クィーンの曲 声 曲調 歌詞になんとなく惹かれて
はまって聴いた時期がありますが
ヴォーカルの人の生い立ちまでは覚えておらず。

”ロック魂” 
みたいなものは
わたしが触れ合ったモスクワ音楽院の教授たち
グネーシン音楽院のピアニストのたまごを育てる先生たち
共通にながれていて。
非常に近しいものがあるなぁ、と。

なんで生きている?
どうやって生き抜く?

はやく 「大人」 になりなさい。

というセリフを
ショパンコンクールの覇者であるユリアーナ・アヴデェーエバを育てた
E.イワノーワ先生に当時言われていました。

その時の私は恥ずかしながら
その意味の深さがわからず 
ただただ自分の欠点や劣等感に気を取られて大切な時間を悲しみに染めていたんだなぁ、と。

クィーン 
また久々に聞いてみようと思います))



Уважаемая Елена Петровна! E.イワノーワ先生と。先生の助言。その真意16歳のわたし、半分もひろえていなかったようです。涙

日本人

Дорогие Друзья!!

おはようございます。冬の朝の冷たい空気 大好きです))

数日前に ”ホロヴィッツの夕べ” を読んだ時の16歳のわたしの疑問に関して気になって 少し日本 日本人についてかんがえてみました。

日本といえばおもてなし文化ですが
高松国際コンクールの審査員でモスクワ音楽院の教授ボスクレセンスキー先生がいらっしゃったときに わたしは通訳としてお手伝いさせていただいたのですが、そのときのに 主催者側の ”おもてなし”に 本当に感動で。

その当時 留学から帰ってきたばかりのこともあって 同じ日本人として わぁ、そこまでするなんてすごいなー、と思うと同時に そんなにへりくだる必要があるのかなぁ、とも感じていました。

が、

時間がたってあらためて振り返ると ”おもてなし” はまさしく日本の文化なんだなぁ、と。

日本は島国 そして 高松 香川県はその中でも”四国” です。笑

”孤立性” 

地理的なこともありますし言語に関してもそうです(日本語の独自性)が

それゆえ国際関係で示す極端な態度の説明にもなるし

日本人が感じている不安感についても説明することができるかもしれないなぁ、と思ったりしました。


すこし堅い内容になってしまいましたが、

日本人はどんな国民? というものは

西洋音楽を学びにモスクワで過ごしたわたしにとって

アイデンティティーの確立の通過点で無視できない ”問い”でした。

これから 海外で出て学ぼうと思っている人たち 学んできた人たち などなど アイディアを共有できたら楽しいだろうな、とおもいます。


Prof.ボスクレセンスキー先生、モスクワでも日本でもたくさん演奏を聞かせてもらいました。演奏、生き様 心から敬愛してやまないピアニストです。





告別式

Дорогие Друзья!!

こんにちは。2019年 あっという間に15日たちました。

昨日、平成最後の成人式があったようですね。


お祝いごとの中、毎年恒例(笑)色々な事件もあったようで 

若いエネルギーいっぱいなんだなぁ、というかんじですね。
 
個人的なことになりますが、わたしはその日 

尊敬する恩師の告別式でした。 毎日3時間の練習を欠かさず

芸術 音楽に対する情熱は計り知れず。

先生が好きなピアニストの話や

どうやって弾けばこのパッセージがよりよくなるか、ということを

語ってくれているときの姿が 鮮明に思い出されて。

ただただいまは実感がありません。

音楽と向き合って生きていく

一つの指針を先生の生き様から学ばせてもらいました。 

先生、ありがとうございました。

心からお悔やみ申し上げご冥福をお祈りいたします。


告別式ではチャイコフスキーの曲がながれ 

先生の写真の横にはスクリャービンに関する本が飾ってありました。

なんとも感慨深かったです。

ホロヴィッツの夕べ

Дорогие Друзья!!

こんにちは。2001年の9月から10か月間のグネーシン音楽学校留学中に

日記を書いていたのですが、いま読み返すと 当時の心細さや

自信のなさ 拠り所のなさに われながら可哀そうに思ってしまいました。笑


2002年の1月12日に ”ホロヴィッツの夕べ” を読んでいたらしく、


『東洋人は西洋音楽を演奏できません。真似することしかできないのです。

まるでロボットですよ。これだけは断言できますね。』

というところを抜粋していて。笑


当時16歳だったわたしには刺激的な言葉だったようです。

東洋人が西洋音楽をすること、というのは

文化の理解、というふうに今は受け止めているような気がします。

また久々に読み返してみたい本です。










鏡開き

Дорогие друзья!!

おはようございます!

髙松はとてもいい天気です。

今日は鏡開きですね。 神さまにお供えしたものには力が備わる

ということで神さまや仏様に感謝をしながらたべることによって

無病息災を祈願する、ということのようです。

願う、というのは ロシア語でнадежда といいます。

日本でももちろんそうですが

ロシアでわたしが接した恩師たちは

メールや手紙のやり取りや 会話 コミュニケーションをとるとき

必ずいつも相手に対して励まし と笑顔がありました。

モスクワで学んでいるときに 信仰心 というか

相手を信頼したり、音楽に対する真摯な姿勢、

を背中で教えてくれたのは 何よりの恩恵だな、と

離れた今はよくおもいます。

ロシア ピアニズム 広い意味では色々と解釈がありますが

わたしにとって実体験での ロシアピアニズム は

心からの真摯な姿勢でもって音楽と向き合って、ピアノを歌わせる、

ということでした。

あの独特の暖かさの空間 なんとも美しくって敬愛してやまないです。

ロシアのクリスマス 

ロシア正教のクリスマスは1月7日です。

ユリウス暦を用いてるためズレがあります。なので
新年が明けてもこの時期まで
お祝いムードが続いています♪

日本でも年末年始は飲み会が重なる時期なので
どの国も同じですね。。。

ロシアのクリスマスで思い出すのが

霜おじさん  と 雪娘
Дед Мороз и Снегурочка 。

リムスキーコルサコフのオペラ 『雪娘』 のアリア
の伴奏試験、懐かしいです。

そして
トレチャコフ美術館にはクリスマスシーズンの昔の風景や
霜おじさん 雪娘のすてきな絵画がたくさんあります。

文化が生活に溶け込んでくると

体験がより鮮やかになって、本当に素敵な時間を過ごせました。

振り返るとき 毎回思いますが

こういう体験をさせてくれた両親に そして
ここに至る道をつないでくれた人たちに改めて本当に感謝です。