ベルナール・ビュフェ展

少し前ですが
香雪美術館で開催されている
ベルナール・ビュフェ展へ行ってきました。

戦争という不条理な時代を若くして経験したビュフェ。
鋭く、濃く、そして容赦なく描かれる直接的な線の中には、
彼自身の死生観や、世界への強い反抗と諦念が
複雑に渦巻いているように感じます。

その激しいエネルギーは、
かつてピカソと比較されるほど圧倒的だったと言われています。

ビュフェが描いたパリの景色を眺めていると、
絵の中の孤独と光が、遠い街への想いとゆっくり響き合いました。

シーシュポスの神話を通して
「不条理の中でなお生を肯定する」というカミュの言葉、
そしてサガン『悲しみよこんにちは』の
淡い影とまぶしい光。

それらすべてが、ビュフェの世界と混ざり合いながら、
静かに私の中で音に変わっていくようでした。

絵画も文学も音楽も、
同じ“時代の感情”を共有して響き合う。
そんな確かな余韻を抱いた一日でした☕️✨

#香雪美術館#ベルナール・ビュフェ#ジャン・ジオノ

投稿者:

Natsuko

宮崎なつこ/Natsuko MIYAZAKI  香川県高松市生まれ。 4歳でヴァイオリン、10歳でピアノを始める。 12歳より単身でロシアに毎年ピアノ留学をしグネーシン記念モスクワ中等特別音楽学校にてロシアの音楽教育を受ける。 香川県立高松高校卒業後、世界三大音楽院の一つのチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に入学し同院ピアノ科を卒業。 2009年 国際ピアノコンクール3位 (ロシア/ルーザ) 2010年 国際ピアノコンクール審査員特別賞・ラフマニノフ賞 (ブルガリア) 2013年 SPOLETO国際ピアノコンクールソロ部門2位 (イタリア) 2014年 ASTI国際ピアノコンクールソロ部門2位 (イタリア) 帰国後、黒田亜樹プロデュース ピティナ・ピアノ曲事典 公開録音コンサート スクリャービン・全曲録音プロジェクトに参加。 2013年に高松市にて『宮崎なつこ ピアノ&ヴィオリン教室 /Natsuko Conservatory of Piano and Violin』を開校。 ピアノ&ヴィオリンのテクニックだけではなく、演奏と音楽を通じて五感を養い広い視野と自分を知ることを伝えていきます。